不動産相続に関するQ&A
不動産を相続するとどんな税金がかかりますか?
A.相続税の他に登録免許税もかかります。
不動産は相続財産に含まれるので、相続税の課税対象です。相続税は相続財産の総額が「基礎控除額」を超える場合に生じます。
登録免許税とは、不動産を登記・登録する際に課されるものです。相続で不動産を取得した際も不動産登記が必要(相続登記と言われます)で、登録免許税を納付しなければなりません
相続登記はどうやって行えば良いですか?
A.ケースによって方法が変わるので注意が必要です。
相続登記をする際、遺言書によって不動産の取得者が指定されているか、遺産分割協議によって決定するか等、移転の違いによって申請人や必要書類が異なります。
相続不動産はどうやって分ければ良いですか?
A.相続不動産の分割方法は四つあります。
相続不動産の分割方法は、現物分割・代償分割・換価分割・共有分割の四つです。
各分割方法にはそれぞれ特徴があるので、公平性を取るか・不動産を残すかなど、ケースに応じて最適なものを選ぶと良いでしょう。
相続不動産を共有名義で引き継ごうと思うのですが…
A.共有分割にはリスクも多いので注意が必要です。
不動産は現金と違って分けにくいですから、共同所有にした方が公平性があり、楽だと考えがちです。
ただし、共同所有は不動産の管理が難しくなったり、共有の細分化によって権利関係が複雑になるなど、デメリットが大きい点に十分注意しなければならないのです。
遺言書で不動産を記載する時に注意点はありますか?
A.不動産の情報は「最新の情報を正確に」記入することです。
不動産の情報は最新のものを記載しなければなりません。
そのため、法務局に行って最新の登記簿謄本を取得しましょう。
財産の中にアパートがある場合、遺言書にはどう書けば良いですか?
A.区分建物は敷地権化の違いで書き方が変わります。
区分建物とは一棟の建物のうち、構造上区分されている部分であって、独立して住居等の用途に使用できるものを指します。
分譲アパートや分譲マンションの各住戸が該当します。
区分建物には、敷地権化されているものとされていないものがあり、各パターンによって、遺言書の表記も変わってきます。
相続登記をしないと、どのようなリスクがありますか?
A.不動産の売却ができなかったり、権利関係が複雑化する怖れがあります。
相続登記は、相続によって所有者が変わった事実を公示する目的があります。
所有権の公示は、自身の権利を守ることに繋がるので、それらを怠っていると、様々なトラブルに巻き込まれてしまいます。
相続登記をしない場合は、固定資産税は発生しないのですか?
A.固定資産税の支払い義務は残ります。
固定資産税は、所有する固定資産に対して課せられる税金です。
相続によって引き継がれる不動産ももちろん固定資産税の課税対象です。
遺産分割協議が続いており、正式な所有者が確定しなくても支払い義務は免れません。
不動産を贈与すると、どんな税金がかかりますか?
A.贈与税の他、不動産取得税と登録免許税がかかります。
贈与税は、年間の贈与額が110万円を超える場合に課税されます。不動産は高額のものなので、分割して贈与しないなら、たいていの場合は課税されます。
不動産取得税と登録免許税は贈与時の固定資産税評価額に応じて必ず課税されます。
相続した不動産を売却する際も税金がかかるんですか?
A.取得費加算の特例を活用すれば、一定額控除できます。
不動産を売却して、売却益が出た場合は譲渡所得税がかかります。
しかし、相続不動産は高い相続税を支払った上で取得したものなので、譲渡所得課税を一定分控除する制度が設けられています。
その制度を「取得費加算の特例」と言います。
農地を相続するのですが、普通の土地と手続きは変わりませんか?
A.農地相続には届け出が必要です。
農地を相続した際には、農業委員会への届け出が必要です。
また、評価計算も通常の土地とは異なるので気をつけなくてはなりません。
なお、農地には相続税の支払いを先延ばしにできたり、条件によっては免除できる特例があります。