こんな不動産は遺言書でどう書く?

遺言書

不動産は現金に比べて分割しにくいので、相続において争いの種となることが少なくありません。そのため、不動産が相続財産に含まれる場合は、遺言書を残しておくとスムーズです

遺言書があれば、相続人全員の同意を得ない限り、原則としてその内容通りに遺産配分が行われるからです。

不動産を遺言書で相続させる場合は、最新の情報を正しく記載することが大切です。

★参考記事:遺言書によって不動産を相続させるには?

 
ですが、不動産は一戸建ての住宅だけではありません。また、実は被相続人の単独の所有でないケースもあります。そういった場合には、どのように遺言書に記載すべきか、本コラムで解説いたします。
 

アパートやマンションなどの区分建物の表記

区分建物とは一棟の建物のうち、構造上区分されている部分であって、独立して住居等の用途に使用できるものを指します。分譲アパートや分譲マンションの各住戸が該当します。

区分建物には、以下の二つがあります。

  • 敷地権化されているもの
  • 敷地権化されていないもの

各パターンによって、遺言書の表記も変わってきます。
 

(1)敷地権化されているもの

「敷地権化されている」というのは、土地と建物の部屋部分(住居部分)の登記が合わさっているものをいいます。

この場合、以下の三つの情報を遺言書に記します。

    ①一棟の建物の情報

  • 所在
  • 種類
  • 構造
  • 床面積
    ②専有部分の建物の情報

  • 家屋番号
  • 建物の名称(部屋番号など)
  • 種類
  • 構造
  • 床面積
    ③敷地権の情報

  • 土地の符号
  • 所在及び地番
  • 地目
  • 地積

不動産の登記事項証明書に「建物の名称や建物番号」が記載されている場合、「種類」「構造」「床面積」の記載は省略可能です。

土地の符号は、複数の土地の上にマンション等が建てられた際に土地に割り振られる番号です。
 

(2)敷地権化されていないもの

「敷地権化されていない」場合は、土地と建物を別々の登記簿で表します。近年の分譲アパートやマンションについては、ほとんど該当しませんが、築年数が古いと該当する物件もあります。

土地と建物が合わさっていないので、それぞれの情報を別々に指定する必要があります。

土地は通常の土地と同じく以下の情報を

  • 所在
  • 地番
  • 地目
  • 地積

建物に関しては以下を書きます。

    ①一棟の建物の表示
    ②専有部分の建物の表示

こちらは敷地権化されている建物と同じになります。
 

共同所有の不動産を相続させる場合

不動産を複数人で所有している場合、相続の際に自身が所有している「持分」を遺言書に表示します。

例えば、持ち分が1/2の土地を相続させる場合は、通常の土地と同じ情報を記した後に、「持ち分1/2」という項目を書いておきます。

所有不動産を複数の相続人に分けて持分を相続させるケースでも、土地や建物の所在や面積などを記載した後、「持分の〇分の〇」と記載します。
 

遺言書は住所表記でなく地番表記で

相続不動産を遺言書に記す場合、所在地を記載しますが、この所在地は住所ではなく「地番」です。土地には住所とは別にそれぞれ地番が付けられており、遺言書には、地番を記載する必要があります。

登記事項証明書に記載されている所在地は地番表記ですので、そのまま記載すれば大丈夫です。ですが、住所と地番が異なるということは覚えておきましょう。
 

まとめ

相続不動産も一戸建てだけではありません。そのため、遺言書に記す内容も各種類に応じた書き方になってきますので十分注意してください。

不安な場合は、相続専門の税理士に作成を手伝ってもらう方法もあるので、一度ご検討ください。


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