相続税の算出における注意点

相続税の税率は各相続人の取得分に応じて異なり、取得額が高ければ税金負担も重くなる累進課税方式が採用されています。

また税額の計算は基本的に、

  • 遺産の総額を計算
  • 基礎控除額を差し引き
  • 取得分に応じて税額を算出

の三段階に分けて行われます。

参考記事:相続税の税率について

ただし、相続税は「特例制度の利用」や「生前贈与の利用」等でも税額が変動します。

よって、これらの要素も考慮して計算を行う必要があります。
 

特例制度を利用する場合は税額に反映

相続税における控除の枠は基礎控除だけでなく、「配偶者軽減制度」など特定要件をクリアすることで活用できるものも存在します。

これらの控除制度を利用している場合は、税額計算に必ず反映させます。

なお、反映後に相続税が0円になるからと言って、相続税の申告をしないで良いというわけではないので注意してください。(特例制度の利用には相続税申告自体が必須です。)
 

生前贈与をした場合の注意点

生前贈与を利用した際に注意したいのが以下の二点です。

  • 生前贈与加算
  • 相続時精算課税制度の利用

いずれも相続税額が増える要素なので、計算への反映を忘れないようにしましょう。
 

(1)生前贈与加算

生前贈与では、「相続開始から3年以内の贈与については、相続財産に足して相続税を計算する」というルールがあり、これを「生前贈与加算」と言います。(相続税を抑える目的で亡くなる直前に過度に贈与が行われる事を禁止するためのルールです。)

生前贈与には年間110万円までの非課税枠がありますが、生前贈与加算に該当すれば非課税枠を含む贈与が相続財産としてカウントされます

なお、贈与税を支払っている場合はその金額を相続税額から差し引くことができます。

また、相続開始3年以内の贈与であっても相続や遺贈によって財産を受け取っていない場合は生前贈与加算の対象外です。
 

(2)相続時精算課税制度の利用

相続時精算課税制度とは生前贈与の一種で、60歳以上の親または祖父母から、20歳以上の子供や孫に贈与する場合に使えます。贈与の合計が2,500万円になるまで贈与税が課税されません。

ただし、相続時には贈与した金額が相続税対象となります。要するに税金の支払い時期を相続時に先送りするだけの制度です。一度選択すると通常の生前贈与への切り替えができないのも厄介です。

なお、同制度も贈与税を支払っている分だけ相続税額から差し引くことができます。
 

相続税の2割加算に注意

相続税には「被相続人の配偶者・子供・両親にあたる以外の者への相続について、相続税額を2割増しにする」ルールがあります。

配偶者・子供・親は被相続人の財産形成に大きく寄与する可能性が高いものの、その他の相続人は寄与していない可能性が高いため、このような設定がなされています。

対象となる相続人の例としては、被相続人の孫や兄弟姉妹、子供の配偶者、婚姻関係のない愛人、友人等です。

例えば、被相続人が友人に対して遺産を渡し、その相続税額が1,000万円であった場合、友人は1,000万円×1.2=1,200万円の相続税を払う必要があります。
 

税額算出が不安な場合は専門家を頼る

相続税に関するルールは数多くあるので、全てを理解して適切に税額を算出したり、有効な相続税対策を検討するのは中々にハードルが高いと言えます。

相続税申告も期限が決まっているので、方々への連絡や故人の葬儀、他の相続手続き等をこなしながら、行っていくのも大変です

手間をかけたくなかったり、確実な方法を求めるのであれば、専門家である税理士に相談する方法もあります。

相続税の申告はもちろん、節税に関するアドバイスや、他の相続手続きの代行もこなしてくれるので、自身の負担もかなり軽減するはずです。初回は無料相談を実施しているところもあるので、一度検討してみましょう。


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