遺言書作成前の財産整理について
自身の死後、遺族の間で争いは起きて欲しくないものです。そのため、遺言書を準備する方も増えています。今年2020年の7月から法務局での遺言書保管制度(自筆証書遺言に限る)もスタートし、今後ますます利用件数も増えるでしょう。
遺言書については、様式や記載内容に注意するのも大事ですが、作成前に財産整理をしておくことも重要です。
自身の財産をしっかりと把握しておかないと、遺産分割をどうするか決められません。
遺言書を残すメリット
- 遺族が財産分割で揉めるリスクを軽減
- 分割方法で相続人が悩まなくて良い
- 遺産分割協議を行わなくても良いので相続手続きの手間が減る
- 法定相続人以外にも財産を遺贈できる
- 故人の遺志を相続に反映することができる
遺言書には様々な効力があり、それらを上手く利用すれば多くのメリットが得られます。
最大のメリットは、遺族が相続で揉める可能性を低くできることです。遺言書は故人の遺志であり、それを尊重したいという相続人は多いからです。
また、相続人が遺産分割に悩まなくなり、協議も不要となるので、結果的に相続手続きの負担を軽くすることにもなります。
遺言書を残す前に大切な財産の整理
遺言の作成において大切なのは、「財産整理」です。きちんと自身の財産を把握しておかないと、遺産分割について遺言に記すことができません。
また、遺言書に記入されている財産と実際の相続財産が大きく異なると、分割が遺言のとおりに進まない可能性も出てきます。加えて、相続税申告までの限られた期間で財産調査をしなければならないので、遺族の負担も増えてしまいます。
やっておきたい財産整理の項目
(1)プラスの財産整理
プラスとなる財産は、預貯金はもちろん、不動産や有価証券、自動車などの動産です。
(2)マイナスの財産=債務も整理する
未払金や借金などの債務も相続では引き継がれます。債務はプラス財産から、差し引かれて精算されます。
複数の取引先から債務を抱えている場合、引き継いだ際の精算が困難になり、手間がかかってしまいます。よって、債務があるなら、生前のうちにできるだけ清算するか、借り換えを行って多重債務を一本化するなどしておきましょう。
(3)土地の測量・登記を済ます
相続のときに問題となるのが土地です。土地は立地や住居の有無、利用方法などの条件によって価格が変わり、売却に手間もかかります。
さらに、土地は登記をしておかないと売買ができません。国内には何世代にも渡って登記変更をしていない土地が多くあるので、それを相続してしまうと、さかのぼって登記をし直さなければなりません。
すぐに売却したり活用したりできるように、測量をし直し、きちんと登記しなおすことで、遺族の負担も軽くなります。
(4)骨董品の整理もしておく
趣味で壺や絵画などの美術品を収集している方もいるかと思います。こうしたものは、評価額の付け方が難しいものも多く、引き継ぎに手間がかかる場合があります。
同じ趣味のある親族や友人に生前に譲る、引き継がせる場合は購入店や売却可能なルートなどの必要な情報を残しておくと良いでしょう。
財産目録を作成する
財産整理が終わったら、財産目録を作成します。財産目録とは、所有する財産の一覧表です。
遺産分割を円滑に進ませるものであり、相続税の申告の際にも役立ちます。
目録に決まった書式はありませんが、相続人が見たときにすぐに分かる内容にしておきましょう。
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