相続税の課税対象ではない財産について

相続で取得する財産の中には相続税の課税対象ではないものもあります。これらの非課税財産を正しく把握しておけば、相続税を払い過ぎることもなく、節税に繋げることも可能です。

別ページでは課税対象の財産についても解説しているので、合わせて参考にしてください。

参考記事:相続税の課税対象となる財産について

 

相続税の課税対象ではない財産

祭祀財産

祭祀財産とは、祖先を祀るための道具や遺体や遺骨を葬る設備、一族代々の系統を書き表した図表等を指します。主なものは「系譜」「祭具」「墳墓」の三つです。

  • 系譜……家系図、家系譜など
  • 祭具……仏壇、仏像、神棚、神具、位牌など
  • 墳墓……墓石、墓碑、霊屋、棺、墓地など

これらは通常の相続財産とは異なり、相続税が課税されません。
また、分割相続されるものでもなく、被相続人の指定や古くからの慣習に従って一人が承継します。
 

損害賠償金

不慮の事故で亡くなった場合には、事故を起こした相手から損害賠償金が遺族へ支払われます。

この損害賠償金は相続財産ではなく、課税対象からも外れます。また、所得税法上も非課税扱いとなります。
 

弔慰金

遺族を慰めるという趣旨で支給される弔慰金も課税対象ではありません。ただし、金銭の範囲は下記の通りに留められます。

  • 死亡が業務中だった場合:死亡当時の普通給与三年分に相当する額
  • 業務外で死亡した場合:死亡当時の給与の半年分に相当する額

超過分については、退職金に含めて計算されます。
 

公益事業に使われる財産

相続によって取得した財産が、宗教や学術など公益を目的とした事業に確実に使われるのであれば、相続税はかかりません。

ただし、財産取得から2年を経過しても、事業に資金が使われていない場合には課税対象となります。
 

生命保険金や退職手当金等の控除部分

相続によって取得した死亡保険金や死亡退職金には一定の非課税枠(500万円×法定相続人の数)があります。

この控除金額に当たる部分には、相続税がかかりません。
 

国や地方公共団体などへ寄附した財産

相続税の申告書の提出期限までに国や地方公共団体、認定NPO法人などに寄附された財産は課税対象から外れます。
 


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